デザイン
門前町の華やぎと豊川稲荷の潤沢な緑が融合する地に、現代に相応しい美しい景観のあり方を追求。
永い歳月の堆積と新たな時代の始まりを示す“歴史の再編”がデザインの最重要テーマです。 豊川稲荷と向かいあう北側のフォルムは、縦と横で構成する江戸組子をモチーフにした格子状デザインを採用。 その姿は、新たな豊川の象徴となる景観を提示します。視界を遮るものが少ない全邸南向きのレジデンス。バルコニーのガラス手摺が水平ラインを強調し、周囲の豊かな自然環境を淡く映し出します。
そして15階建てのフォルムが、大きなボリュームを印象づけ、建物に用いられた異なる素材の対比は歴史的価値と現代的な街並との調和を表現します。配色のアクセントとなるブラックタイルに加え、伝統が薫る木目調、シャープなストリームラインを印象づけるアルミ素材を随所に採用。そしてアースカラーを基調とした風格あるタイルなど建物に陰影と奥行きを生み、歳月の中で磨かれた品格を表現します。
エントランスに向かう石敷の歩廊は、まるで豊川稲荷の新たな参道の趣です。
敷地の境界を表現し、ゆったりと歩を進めた時に出会える驚きやドラマ性を織り込んだ、印象的な空間づくりが施されています。悠久の歴史の中で「伊勢屋」を見守り続けてきた中庭の五葉松と灯籠。五葉松は樹齢が永く、暑さや寒さに強い針葉樹。堅牢な石灯籠とともに「伊勢屋」の辿ってきた古の記憶を静かに語り継ぎます。
悠久の歴史の中で料理旅館「伊勢屋」を見守り続けてきた中庭の五葉松と灯籠。
車寄を設けた歩車分離のエントランスは、邸宅としての第一印象に優雅な雰囲気を醸成。
住まう方の誇りとセンスを漂わせ、訪れるゲストの皆様にここで紡がれる上質な生活を印象づけます。歩廊の先には、伝統と気品を表現する木目調アーチに彩られたエントランスが迎えます。豊川稲荷の豊かな自然と融合する木目調のキャノピーも印象的。天井から壁面にかけて連なる木目調パネルが空間に柔らかみを与え、温もりで包みます。
坪庭を望むガラス窓の先には、まるで額縁に収まったかのような緑の中庭を眺めることができます。そして、空間の深みや奥行きをホールの黒タイルが表現します。
大きく手を広げ、大切な方を迎えるような大型のキャノピーを設けたエントランス、そしてホテルライクな歩車分離の車寄せ。あえて奥まった位置にエントランスを設けた周到なランドスケープが、オンからオフへと心を徐々に切り替える緩衝効果となり、プロローグを穏やかに彩ります。
邸宅としての快適性を深めるため、建物外周には街並景観と響き合うヤマボウシ、シダレモミジを随所に植栽。そして、既存樹のゴヨウマツに迎えられ、奥へと歩を進めると、歴史を映し出す石灯籠の中庭が目を楽しませてくれます。周辺の緑と一体となり、敷地全体で四季の移ろいを演出しています。
※掲載の完成予想図および敷地配置図は、計画段階の図面を基に描き起こしたもので、形状・色等は実際と異なります。外壁タイルを表現するため、実際のタイル目地とは異なる大きさで描き起こしております。照明・雨樋・給気口・エアコン室外機等一部再現されていない設備機器がございます。植栽は計画段階のもので、変更になる場合があります。葉や花の色合い、枝ぶり、樹形は想定であり、実際とは異なります。また特定の季節、時期または入居時期を想定して描かれたものではありません。予めご了承ください。
※植栽は計画段階のもので変更になる場合があります。
※掲載の写真は現地を撮影(2021年1月)したものです。